6人の作家達
展示内容
昨年開催しましたヤングクリエイターズアワード受賞作家6人による展示会となります。
西村大樹、岸勇樹、赤井正人、岸本恵美子、照本美幸、大明6名の作品をご覧ください。
展示期間
2017年4月4日(火)~4月21日(金)
13:00~18:00
土日月祝休廊
クロージングパーティー
4月21日(金) 18:00~
参加作家
岸勇樹
■作品コンセプト
この作品では、子ども達にしか見つける事の出来ない、森や山といった広大な大自然の中や、身近なところでは、家の小さな庭の茂みの中といった場所に住んでいる、小さな妖精の住む家を描いています。妖精の姿形は、この絵の中では描かれていないので、彼らが実際どのような姿なのかは分かりません。しかし、絵の中で描かれて
いる3つの建物それぞれの頂点にひるがえる旗には、その建物に住む妖精一族の、代々受け継がれてきた大切な家紋が描かれており、このことから、この妖精たちが、先祖を敬い大切にしている様子が分かります。また、これら妖精たちの家を支えている土台となっているのは、絵の下方に描かれている小さな樹木の数々です。つまり
この妖精たちは、この樹木の支えによって家を維持することができており、これらの樹木が無くなってしまうと、その住処を失ってしまいます。よって、妖精たちは、自分たちの家を支えてくれるほど大きく育ってくれた周囲の木々に感謝し、その成長までの長い年月を木々と共に過ごした自分たちの先祖を、その木々の中に感じとり
ます。
■展示歴 2012年 東京理科大学 理工学部 建築学科 卒業
2013年【東京都美術館】 第39回現代童画展 奨励賞
2014年【ギャラリーデュマレ】第28回パリ国際サロン・ドローイングコンぺ 入選
2014年 第15回インターナショナル・イラストレーション・コンペ 優秀賞
2014年【スコットホール】 第4回創作表現者展 ドラード特別賞
2015年【国立新美術館】第18回エイズチャリティー美術展 持田総章特別選賞
2015年 TOKYO DESIGN WEEK 2015 第一回Creators Match up AWARD 入賞
2016年【東京都美術館】HEARTARTCOMUNICATION精鋭作家展 森本靖一郎 理事長賞
2016年【MIギャラリー】ヤングクリエーターズアワード 準グランプリ、松井桂三賞
2017年【国立新美術館】第20回エイズチャリティー美術展 持田総章特別選賞
西村大樹
■ステートメント
私が環境問題や水の循環等に、関心を持つ切欠となったのは父の存在だった。父は野鳥研究者で、様々な開発が環境に及ぼす影響を調査する、環境アセスメントという仕事をしていた。しかし、私が3歳の時に、重度障害者となり身体の自由を失うこととなった。父が亡くなるまでの20年間、動くことのない身体と対照的に前向きで自由な父の精神は健在であり続け、父と過ごす時間の重なりの中で, それは静かに伝わってきた。
父が設立に深く関わった、大阪、南港にある野鳥公園は彼の自然に対する想いが詰まった仕事であり、それは息子である自分にとって誇らしく思うことであり、同時に自分の中にも同様の自然に対する気持ちが存在していることを作品制作を通して感じていた。
水がなければ生命は存在できない。この当たり前の事を父との生活の中で実感した。父と私と自然、森羅万象が生み出してきたものとの関連性を強く意識した。ここで使っている自然という言葉には、森林だけではなく、地震や津波、飢餓、獣や虫の害というようなあらゆる現象を含んでいる。3.11(東日本大震災)以降、私の世界観は一変した。水という生命全体、地球の事を考えさせられた。環境汚染が深刻な問題として浮かび上がる。物質の進歩や社会革新によってもたらされた破壊という人類の中核にある矛盾。特に核、原発、放射能による汚染。
今、私にとって最も大切なことは個人が向き合うべき森羅万象の一象に意味と喜びを見出し、他者と共有すること。アミニズム思想を基盤とした神や仏という意識の再構築が火急の課題と感じていることであり、作品が鑑賞者にそのような意識と場を作り出すキッカケとなることを望んでいる。
地球という単位で物事を考えてみると、さまざなま生命体の内にカミを見ることができ、さまざまな非生命体の内にもカミを見ることができる。あらゆる循環の中に生かされている。この深さを見つめたい。それが環境問題を克服していく希望だと信じている。
●展示歴等
1985 大阪府生まれ
2009 大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業
2011 大阪芸術大学大学院芸術研究科博士課程前期修了
[個展]
2015.9 「白い雨」 京都、法然院
2015.3 「黒い雨」 大阪、spectrum gallery
2014.11 「硝子片の海で」 京都、法然院
2014.3 「太陽と骨の夜」 大阪、spectrum gallery
2013.10 「海のかなしきふくらみに」 京都、法然院
2013.3 「昨日とまるで同じ今日」 大阪、spectrum gallery
2012.12 「鐘の中の静かな夜に
いつも世界は横たわっている」 大阪、専徳寺
2012.8 「月日」 京都、法然院
2012.5 「今去っていく今に満ちている」 大阪、spectrum gallery
2012.2 「ただここに在る」 奈良、Gallery E.R.I+Y
2011.8 「誰そ彼」 京都、法然院
2011.6 「 」 和歌山(高野山)、梵恩舎
2011.5 「 」 和歌山(高野山)、普賢院
2010.10 「ゆく道の先へ」 奈良、今井町森本氏町家ガレージ
2010.8 「ゆく河の流れ絶えずして」 京都、法然院
[常設展]
Robert Yellin Yakimono Gallery 京都
[グループ展]
2015.11 ART SAN DIEGO 2015 アメリカ、spectrum galleryより
2015.10 UNKNOWN ASIA ART EXCHANGE OSAKA 2015 大阪市中央公会堂
2014.11 Winter Luxe 大阪、阪急メンズ館
2014.10 西村大樹 稲吉オサム 神戸博喜 三人展 大阪、spectrum gallery
2013.11 西村大樹 稲吉オサム 二人展 大阪、spectrum gallery
2013.10 spectrum selection 2013 大阪、spectrum gallery
2013.7 アート・サンタフェ2013 アメリカ、spectrum galleryより
2011.11 片山滋啓・西村大樹 2人展 element:water 大阪、spectrum gallery
2011.10 Living With Art 展 大阪、spectrum gallery
2010.3 東京ワンダーシード2010 入選
2009.7 三人展 奈良、財団法人喜多美術館
2009.3 東京ワンダーシード2009 入選
[アーティスト支援・アートアクアリウム基金プロジェクト]
2016.11 Concorso Arte Milano 2016 イタリア、ミラノ
[賞]
2016 Young Creators Award 2016,First Prize,Japan
2015 UNKNOWN ASIA ART EXCHANGE OSAKA 2015 審査員賞 受賞
2009 大阪芸術大学卒業修了作品展 学長賞受賞(一席)
赤井正人
■ステートメント
私は、奈良の山奥に生まれ育ちました。山で出会う人や動植物、村での風土や風習を取材する中で、様々なことを見聞きしARTを通して考えます。
■展示歴等
2003 奈良芸術短期大学専攻科修了
2005 レスポワール展(銀座スルガ台画廊)
2008 雪梁舎フィレンツェ賞展 優秀賞
2016 奈良・町家の芸術祭はならぁと 重要文化財 旧米谷家住宅
2017 つかもりのめ-個展-(画廊飛鳥)
大明
■ステートメント
京都の山村で育ち、農業の経歴を持つ。人間の持つ醜さやそれを抱える自身の苦しみからの救いとして動植物、蟲や苔など自然の美しさ・力強さを描く。意図や暗示のためのモチーフではなく、目の前にある命に目を向けること自体に意味があると考えている。
■略歴等
2012.04 創造社デザイン専門学校 入学
2014.03 創造社デザイン専門学校 卒業
2016.09 初個展 芝田町画廊
「鼓動を捉える。脈を描く。」
2017.05 個展予定 ギャラリーそら
【受賞歴】
2014.03 創造社デザイン専門学校
卒業制作展 学校賞受賞
2015.10 あかマルシェ2015
芝田町画廊賞受賞
2015.10 ART STREAM2015
奨励賞およびインターグループ賞
2016.10 MIgallery ヤングクリエーターズアワード2016
大阪プランニング賞
2016.10 あかマルシェ2016
ギャラリーそら賞
2016.12 タツコン2016
GALLERY龍屋 メインビジュアル賞
その他関西を中心に企画展・イベント多数出展
照本美幸
■作品コンセプト
私は人物を描く上で、嫉妬、怨恨、悲愴、自己嫌悪などといった、ネガティブな感情を持つことを肯定する ということを一番のテーマとして扱っています。
悲しみにくれてしまう、恨んでしまう、妬んでしまう、それらをしてしまう自分を嫌悪する。そういった葛藤は、生きている限り当たり前に存在するものです。
しかしその葛藤する心こそが素晴らしく、それを嫌悪したり、どうにかその苦しみから逃れる方法を探す、それがもしも道理に反することでも、なんとかその苦しみの改善策を模索する。私は、人間のそんな感情を美しいと思い、制作の主軸に据えています。
■履歴(プロフィール)、展示歴、受賞歴
東京都在住
2011年3月 「曲展」(Chartreuse cafe 東京)
2012年2月 「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」(国立新美術館・東京)
2012年3月 多摩美術大学造形表現学部造形学科卒業
2012年4月 多摩美術大学修士課程絵画専攻日本画研究領域入学
2013年9月 佐藤育英財団奨学生選抜展(佐藤美術館 東京)
2013年8月「祭囃子展」(佐藤美術館 東京)
2013年8月『第8回 世界絵画大賞展』(東京都美術館 東京)
2013年10月「天祭一○八展」(増上寺
光摂殿)
2014年2月「東京都五美術大学連合卒業・修了制作展」(国立新美術館 東京)
2014年3月多摩美術大学修士課程絵画専攻日本画研究領域卒業
2014年4月 同人音楽作品『OPHANIL』メインビジュアル担当
2014年12月 『GENOMICA展』(東京都 東邦アート)
2014年12月『三人展』(大阪 spectrum gallery)
2015年9月 『照本美幸個展』(大阪 spectrum gallery)
2015年11月 『San Diego Art Fair』(America Balboa Park Activity Center)
2015年12月 『GENOMICA展』(東京都 東邦アート 東京)
2016年4月『spectrum selection vol,3 at 法然院』 (法然院 京都)
2016年8月『50の顏展』(麗人社ギャラリー 東京)
2017年3月『第52回 昭和会展』(日動画廊本店 東京)
岸本 恵美子
■作品コンセプト
ダンサーを何枚もスケッチし、そこから得たインスピレーションをもとに抽象画を制作しています。
ダンサーのスケッチを始めたころ、「形」にとらわれ、素早く動いてしまう「モデル」に対し、画面上で手を動かしながら、苦戦していました。
それでもスケッチを続けていたある日、ダンサーの動きがどんなに速くても、どんなポーズをとっていても、共通して存在する、身体そのものの「軸」に気づいた瞬間がありました。
その後のスケッチではどんなに素早く踊っていてもその瞬間の「軸」をとらえ、まるでダンサーと自分が一体化するような感覚で、画面上で自由に表現できるようになりました。
同時に、ダンサースケッチを通して、身体性の残像、ダンスそのものが形に残らないがゆえに心にとどまる美しさ、自分のフィルタを通して心の「軸」を表現したいと考えるようになりました。
鑑賞者の視線と心が画面の中や枠の外を自由に往来できるような作品や空間作りを意識し、1つ1つの展示の機会を、次の制作につなげる「軸」にするとともに、鑑賞者の心に寄り添う「軸」になる作品を制作していきたいと考えています。
■履歴(プロフィール)、展示歴、受賞歴
2007 大阪芸術大学芸術学部美術学科 卒業
個展
2011-’15 ギャラリー風(大阪)
アートフェア、グループ展 (抜粋)
2011-15Art Osaka (ホテルグランヴィア大阪)
2014 現代美術―茨木2014展(特集作家として参加)
KIAF(COEX /Seoul)
2015 大阪新美術館建設準備室企画「小学生とアーティストが共に学ぶ鑑賞ワークショップ」
下町芸術祭 ウィズペインター(神戸)
2016 感錐~OPNERS~2016 (アートスペース感/京都)
グループ京展(あかね画廊/銀座、あじさい画廊/神戸)
ムービング×クロッキー~ダンサーを描こう~ワークショップ(サンセイドウギャラリー/神戸)
2017 Art in Park Hotel Tokyo
受賞
2013 みなと銀行文化振興財団賞(こうべ市民美術展)
2016 優秀賞、坂上義太郎賞、ギャラリー賞(MI gallery ヤングクリエーターズアワード)